2022.10.4.Tue
今日のおじさん語録
「役者というのは、行をする者、自分というものをよく考え、見極める者のことやと思う。(藤山寛美)」
本筋を貫いた<br />
おじさん<br />
伊丹十三

特集/ぼくのおじさん物語

本筋を貫いた
おじさん
伊丹十三

【全6回】

「おじさんと話したあとは、なんだか世界が違ったふうに見えるようになっちゃったト、そういう存在が、まあ、僕におけるおじさんというイメージなんですね」(1981年『文藝春秋』7月号より)。ジャック・タチが1958年の映画『MON ONCLE』(邦題は『ぼくの伯父さん』)で具現化した概念を、1980年代にひとつの哲学へと昇華させたのが、天才映画監督にしてエッセイスト、伊丹十三さんだった。ちょっとややこしいけれど、このメディアに登場する〝ぼくのおじさん〟たちがそろって憧れる〝ぼくのおじさん〟、すなわち〝ぼくのおじさん〟界におけるゴッドファーザー的存在である。ジャック・タチや伊丹さんの代名詞を誌名に戴くなんて、正直いっておこがましくて申し訳なさすぎるけれど、それでもみんなに〝ぼくのおじさん〟と出会って、新しい世界の扉を開いてほしい。そして、今こそそういう場所が必要なのでは……? そんな思いでつくったメディアです。となれば第一回目の特集は、やはり伊丹十三さんを置いてほかにはないでしょう。ファッション、仕事、人付き合い……。あまりにも多面的な伊丹さんを表現するにはささやかすぎるけれど、この特集がすべてにおいて〝本筋〟を貫いた偉大なる〝ぼくのおじさん〟との出会いの場になれば、本誌もとても嬉しく思う。

イラスト/菊野友美

伊丹十三(俳優・エッセイスト・映画監督)

1933〜1997年。本名池内義弘。映画監督の伊丹万作の息子として生まれ、高校卒業後商業デザイナーに。その後「伊丹一三」として俳優デビュー、『ロード・ジム』などの外国映画にも出演する。1960年代半ばからは文筆業の分野でも才能を発揮し、当時の若者たちから絶大な人気を集めた。1970年代からはテレビ番組やコマーシャルの制作、1980年代前半は雑誌編集者として活躍したのち、1984年には51歳にして映画監督デビュー。『お葬式』を皮切りに、10本の名作を遺した。世界にも類を見ない、多才すぎる〝ぼくのおじさん〟である。

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