2023.6.4.Sun
今日のおじさん語録
「モデルの瞳に感動したら瞳から描け、首筋に感動したら首筋から描くのだ。/藤田嗣治」
名品巡礼

連載

名品巡礼

最近、オーダーやビスポークという言葉が、すっかり富裕層の嗜みのような意味をもってしまった。確かにその技術は、ときの王侯貴族たちによって磨かれ、進化してきたものだし、その価格を考えると致し方ない側面もある。けれど、誰かのためにモノをつくるという優しい行為は、もっとみんなのために開かれているべきではないか?と心から思う。特に人間が生きていくのに欠かせない靴という分野においては、なおさらだ。目の肥えた富裕層向けのビスポークと、街場に根付いた庶民のビスポーク。どうしたって華やかな前者のほうに注目が集まりがちだけど、この両者には、本来優劣なんてないのだ。そこで「ぼくのおじさん」は、職人の街、フィレンツェで暮らす人々のために靴をつくり続ける日本人靴職人、松岡祥子さんにお話を伺った。誰かのためにものをつくるって、本当に尊い生き方だと思う。こんな職人さんがぼくたちの街にいてくれたら、日々の暮らしはどんなに豊かになるだろう?

コラージュ/澤田美野里(heso)

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