2024.4.28.Sun
今日のおじさん語録
「バーカウンターは人生の勉強机である。/島地勝彦」

「ぼくのおじさん」と
パリのLUTAYSが
正真正銘の
クラシックな
ベレー帽をつくった!

撮影・文/山下英介

「ぼくのおじさん」と、話題のフランスブランドLUTAYSがコラボレート! 「フランスらしさってなんだろう?」という対話の中から生まれた、クラシックなバスクベレー帽を、その背景にあるカルチャーごとみんなにも味わってもらいたい!

クラシックなファッションやその周辺にある文化を愛し、次世代に継承したいと願う「ぼくのおじさん」には、世界中に同じ志を持った仲間がいる。

こちらがクラシックファッション好きの間で話題を集めるLUTAYSのデザイナー、Jean-Baptiste Rosseuwさん。ベルギー出身で、とても謙虚かつ研究熱心な若き紳士だ。10月には東京や大阪で開催されるトランクショーで来日予定。みんなにもぜひ会ってもらいたい! 写真は2022年の来日時に、赤峰幸生さんのアトリエで撮影したもの。

以前この記事でも紹介したパリのデザイナー、Jean-Baptiste Rosseuw(以下ジャンバティ)さんもそのひとりである。アルニスに代表されるフランスのファッション文化に深く魅せられた彼は、その衰退を深く嘆くとともに、数年前に自らのブランドLUTAYSを設立。徹底的に研究したフランス特有のデザインを、全土に散らばるオートクチュールのアトリエを背景に、具現化している。

〝フランスらしさ〟に徹底的にこだわり抜いた彼のアウターコレクションは、ハイクオリティではあるがかなり高額だったもので、当初は友人としておおいに心配したのだが、蓋を開けてみたら若いクラシック好きの間で大好評。今や日本や韓国の大手セレクトショップや百貨店でも扱われる人気ブランドになってしまった。そこそこのものならコンビニでも買えるようになった今、ぼくたちがほしいのは〝本物〟なんだ。それも、決してお金では買えないストーリーを持った、ね。

そんな同志のジャンバティさんとは、「ぼくのおじさん」の創刊当時から、「フランスらしさって何だろう?」という対話を積み重ね、いつか出版やプロダクトを通して何らかのコラボレートができたらいいね、と話し合っていたのだが、その第一弾となるアイテムがとうとう完成した。それが「ぼくのおじさん」のキャラクターや編集人がいつもかぶっている、ベレー帽である!

編集人が所有するLUTAYSのプルオーバーシャツとコーディネート。深みのあるボルドーカラーは、意外と合わせるアイテムを選ばない。

その歴史的背景やプロダクトの詳細については、ジャンバティさんが書いてくれた記事をご覧頂きたいのだが、こちらはバスク地方にあるファクトリーでつくられた、いわゆるバスクベレーである。ジャンバティさん曰く、「バスクベレーのファクトリーはロレーヌだけだと思われがちだけれど、実はほかに2社ほどが稼働しており、このベレーは、そのうちの1社でつくってもらった」と。

みんなには本物のクラシックを味わってもらいたかったので、あえてデザイン的なアレンジは一切施していない。色に関しても、今回はバスクベレーにおける最も伝統的な色、ボルドー一択だ。ただしライニングだけは、LUTAYSがジャケットに使っているのと全く同じ、シルク製の生地を貼ってもらった。

通常のバスクベレーの裏地にはチープなポリエステル系の生地が貼られることが多いけれど、こちらはシルク100%! LUTAYSのジャケットの裏地に使われる、贅沢な生地だ。
LUTAYSと「ぼくのおじさん」とのコラボレートの証が!

加えてサイズ的な許容範囲を広げるために、帽子の縁(ふち)にはレザーなどを貼らずに、シンプルに仕上げてもらっている。これによってサイズの許容範囲は大幅に広がって、55〜61㎝まで対応できるようになった。編集人は普段59〜60㎝のベレー帽をかぶっているが、窮屈な気持ちは一切感じない。ちなみに本記事で使っているトルソーは55㎝のものだが、全くブカブカにはなっていない。周囲の女性にもかぶってもらったが、全く問題なくいけそうだ。

こちらのベレー帽は編集人が長年かぶってきたものとほぼ同じ形状なのだが、いろんな表情を演出できるのに加えて、どんなふうにかぶっても、決して変なフォルムにならない。いちいち鏡を見ながら整える必要がないので、とても楽に付き合えるのだ。そしてツバがついていないので、カジュアルな食事の席なら脱ぐ必要もないし、邪魔なときは丸めてジャケットのポケットにしまってもいい。帽子を置く場所のないレストランで食事をしているときには、非常に重宝するだろう。編集人はかつてソフトハットやキャスケットを愛用していたのだが、これほど便利な帽子はないので、いつの間にかこのベレー帽がトレードマークになってしまった。

かぶり方によって、そのムードを自在に変えられるのが、ベレー帽の魅力。こちらは編集人お気に入りのかぶり方だ。
帽子をフラットにして斜めにかぶるのは、バスク地方の漁師によく見られる、クラシックなかぶり方。
ニットキャップをかぶるかのごとく、グイッと後ろに重心をもってくるかぶり方。写真を撮るときにはこんなかぶり方になることが多い。

バスクベレー帽というだけに、合わせるファッションは当然フランスっぽいテイストがマッチするわけだが、決してそれだけではなく、スウェットやジーンズといったラフなアメカジにも合わせられる点も、この帽子の大きな魅力だ。いや、むしろそのほうが洒落ているかも!?

編集人所有のアルニスのジャケットと。これはもう、鉄板の似合い方でしょう!
こちらもアルニスのコートと。グリーンやカーキ系との相性も抜群。
「ぼくのおじさん」と関わりの深い、パパスのスウェットと合わせて。アメカジのイメージが強いスウェットシャツも、こんなベレー帽と合わせれば、一気にフレンチな雰囲気が。こちらに色の落ちたジーンズを合わせても素敵。

というわけで、ようやく秋の気配が感じられるようになった2023年9月、ようやくこの帽子を「ぼくのおじさん」のオンラインストアに並べられるようになった。「おじさん」だけではなく、おじさんに憧れる若者や、女性たちにもぜひ使ってもらいたいな。これをかぶると、パリのアーティストみたいな自由な気持ちになれるはずだから。


●オンラインストアはこちら!

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